冬来たりなば春遠からじ〜人間椅子ワンマンツアー2011師走〜@渋谷O-WEST

人間椅子ワンマンツアー。待ちに待ったこの日。

ライブ当日は大学院の講義があったため、講義終了後自転車をかっ飛ばして駅に向かう。

吹きすさぶ風の中ペダルを踏みしめる。ペダルを漕げど前に進まぬ気持ち。

はやる気持ちを必死に押さえ、ようやく渋谷に到着。

 

ライブハウスに到着したのが開演30分前くらいなので、和嶋さんサイドはもう人で一杯なのだろうな・・・と落胆しながら扉を開けると・・・なんとまあまあスペースがあるではないかっ!!(平日、しかも月曜日だったからかな。)ロッカーは全て埋まっており荷物置き場に困ったが、和嶋さんサイドの物販コーナー下の隅の方に、荷物を置けそうなスペースが若干あり皆そこに置いていたので、申し訳なく思いながら荷物を置かせていただいた。

物販コーナーの下に隠れるようにして身を屈め、セーターを脱ぎいざ人間椅子Tシャツを身に纏う。

何かが私にふわっと舞い降りてきたようだ。

 

結論から言うと、今まで私が観てきた人間椅子のライブの中で、1、2を争う素晴らしいライブだった。

選曲のバランスもよく、かつレア曲の演奏もあり、Black Sabbathの再結成祝いでサプライズ演奏まであり・・・ライブ終了後には2時間以上ある映画の壮大なストーリーを追い続けているような気持ちだった。

 

和嶋さんのMCで、「鈴木くんはチンピラにもよく挨拶をされるよね」というようなくだりがあって、その時に「ごんっ」という音がして明らかに和嶋さんは前歯をマイクにぶつけていた。でも、何喰わぬ顔でそのままMCを続ける和嶋さんに、萌えすぎて悶えてしまった。(大槻ケンヂだったらここは全力で笑いをとりにいくはずだ。それはそれで面白いのだが。)

 

 

此岸礼讃がリリースされてから、和嶋さんは特に今昔聖に思い入れがあるのかしら?と思うことが多い。今昔聖を演奏すること自体も多いし、MCで今昔聖にまつわるエピソードをじっくり話すことも多いからだ。(因に、「春の匂いは涅槃の薫り」も演奏することが多く、私はこちらの曲の方が好きだ。音源は9分45秒もあるまあまあ長い曲ではあるが、サビに向って怒濤の展開を繰り広げる様が大好き。)もちろん、今昔聖のギターは言わずもがな素晴らしかったのだが、「ギラギラした世界」では「21世紀の精神異常者(King Crimson)」のリフ部分を挟んだり、とにかくギターを「魅せる」演奏だった。

 

人間椅子を本格的に聴くようになりだしたのは、大学1年生を終えようとしていた頃。ファン歴は3年ちょっとと浅いが、人間椅子倶楽部に入会し定期的にライブにも足を運べることに、この上ない幸せを感じる。

いつも一人でライブを観ているが、一人神経を研ぎすまし毛穴という毛穴から人間椅子の音を吸収している様は誰にも見られたくない。

これから、誰かが隣に居てライブを観る時が訪れたりするのか・・・と思うと少し緊張する。

次回のライブまで、何を楽しみに生きよう・・・和嶋さんおすすめのトルストイの民話を取り敢えず熟読しよう。